★Zyngaが独自のネットワーク「Project Z」を構築!ゲームグラフSNSを構築か!?

Zyngaの「Project Z」ネットワークは今のところFacebookに対する脅威とはならないだろう 2011年10月11日




Zyngaが新しく名付けた「Project Z」(あるいは、CEOのMark Pincus氏が言うところを聞くと「Zynga Direct」とも言うらしい)は、次回のソーシャルゲームプラットフォームであり、「Facebook Connect」を通して利用可能になるソーシャルネットワークだ。これはZyngaFacebookから独立するための「入札」だ、という人もいる。しかしプラットフォームの内容には昨年のZynga自身の活動と何ら変わったところがあることを裏付けるものはない。


およそ2年近くの間、世界最大手のソーシャルネットワークの1つであるFacebookとその最大手の外部ディベロッパZyngaとの関係が崩れる、もめごとの兆しに世界は注目してきた。17か月前、「Facebook Credits」の一本化に対して小競り合いがあった。それは突然のプラットフォームの変更で、ソーシャルゲームのバイラル的な成長を抑制し、さらにはZyngaFacebookを辞めるかもしれないという脅しの噂まであった。


だが、Zyngaはそれ以降、Facebook向けに4つのソーシャルゲームや「Facebook Connect」を利用した一連のモバイルゲームをリリースし続けている。ZyngaFacebook以外のゲームプレイヤーを報いるネットワークを開始したり、同社のゲームを競合しているGoogleソーシャルネットワークプラットフォームに導入したことも事実ではある。しかし、Zyngaが実際にFacebookとの提携を崩すようなことは、これまで何一つ行なっていない。


どちらかと言えば、両社の関係は深まっている。というのは、ZyngaFacebookのプレイヤーから得る収益を主な強みにしてIPOの準備を進めているからだ。本日サンフランシスコでおこなわれた「Zynga Unleashed」のイベントでPincus氏とZyngaのCOOであるJohn Schappert氏が行なった発表によると、「Project Z」は統合というレベルで「Facebook Connect」を通じて可能になるもので、その統合レベルが非常に深いのでFacebookは実際にはそのネットワークのための「導入パートナー」になるということだ。Zyngaは、一番人気のフランチャイズをもとにHTML5のゲームを3種類取り入れたFacebookのモバイルプラットフォームの導入もサポートしている。そして、それぞれのゲームが発表される中、Zyngaは他のソーシャルゲームディベロッパーが彼らと一緒に試みを始めようとするはるか前に、ますます多くのFacebook最新のソーシャルゲームを披露しているように見える。たとえZyngaが他のネットワークへの接触を広げていても、Zyngaが申請したS-1書類に記載されている特別な関係は続いているようだ。


たとえ「Project Z」のサービスが明日始まって、ZyngaIPOが2012年の第2四半期までずれこんだとしても、ZyngaがそれまでにFacebookから完全に独立できるだろうという意見はとんでもないものだ。FacebookZyngaにとってトラフィックを獲得する主要源で、Zyngaもしくはそれに匹敵するような数字を産み出すようなビジネスを切り捨てられるソーシャールネットワークもしくはゲームポータルはアメリカにはない。FacebookZyngaの収益を損なうような方法でソーシャルゲームディベロッパーとのサービス利用規約を突然変えるという考えもあるが、ソーシャルゲームのエコシステムを再構築し育成するのに去年の1年間を費やしたFacebookがそんなことをするだろうか?プラットフォームが世界的規模で拡大し続けているのに、どうしてZyngaFacebookから離れるというのだろう。



しかし、現時点で「Project Z」はFacebookでのZynga体験を補完しているだけのようだ。プレイヤーはサービス利用に当たり、Ztagsを使って仮想IDを作るように求められるが、その仮想IDはConnectを通じてプレイヤーのFacebookのIDと連携する。こうしたことによりZyngaネットワーク上ではユーザーはゲーム上でのゲーム友達を持ち、ゲーム内で達成したことを公開するという独創的な経験をすることができる。その一方でFacebook上でZyngaのゲーム活動などを含む、自分のソーシャルグラフを持てるようになるだろう。


Facebook と手を切ったとみなせる唯一の要素は、Project ZがFacebook Creditsに匹敵するプラットフォーム通貨を導入するかどうかという点にある。現在ZyngaFacebookゲームでは、Facebookの7月1日のポリシー変更に伴いゲーム内通貨の購入手段としてFacebook Creditsのみを採用している。Facebook Creditsを支払い手段として採用するためにはFacebook Connect対応のゲームである必要はないが、ゲーム間の価格を同等にするためFacebookと他のネットワークの両方で動作するゲームである必要がある。もしZyngaが Project Zゲームのみに使用できる有料通貨を提供したなら、それはソーシャルネットワークを離れ事実上の経済的自立に向けた第一歩となるであろう。今のところ「Project Z」がいつリリースされるかは未定だが、Facebookのユーザーは、「Project Z」のサービス開始前に、ZtagバーチャルIDの登録がここ(原文ではリンクあり)からできる。



【引用】Zynga’s Project Z Network No Threat to Facebook For Now October 11th, 2011
http://www.insidesocialgames.com/2011/10/11/zyngas-project-z-network-no-threat-to-facebook-for-now/




コメント

記事ではFacebookからの独立を示唆したものではないと言っているが、Ztagsを発行してFacebookIDとは別のアイデンティティを作り、ゲームグラフを構築していこうという点で、将来的に独自プラットフォームを作っていこうという思惑はミエミエです。ZyngaFacebook上での巨大なユーザーベースを軸にゲームSNSプラットフォームを築いてくると、GREEDeNAの野望の前にすごく強大なライバルが誕生することは明白です。今後の大きなポイントは2点。1、独自決済を採用するのか 2,サードパーティーに解放するのか。これに関してFacebookとの関係性を高度に意識しながら、手法、時期等、決定していくことになると思います。個人的には独自決済は導入せずにFacebook Credits
を導入。その代わりに料率を有利に交渉する。広告もFacebookADを利用する。サードへの開放は、当初行わずに段階をみて徐々に開放。こういった形が現実的かな思います。いずれにしても、世界市場を舞台にしたゲームSNSプラットフォーム争い、大本命がいよいよ動いたのでここから一気に加速していくことになると思います!