★ZyngaとTencent提携の詳細:難市場、中国攻略なるか!

ZyngaとTencent社提携契約結ぶ、CityVilleの中国ローカライズ拡張版"Zynga City"をローンチ予定 [2011年7月25日]




Zyngaは本日中国インターネットメディア大手Tencent社との新規提携を発表した。二社はTencentのプラットフォーム上に、中国ユーザ向けにローカライズ版CityVilleリリースに向けて動き出している。


Zyngaはすでに、FarmVille、TexasHoldEm Pokerを中国国内で提供しているが、中国国内のソーシャルプラットフォーム上に提供を行ったのは私たちが知るかぎり初めてのことである。Zyngaのその他のタイトルはFacebook上に提供されているが、中国本土でFacebookへのアクセスが禁止されているため、それらのタイトルには香港、台湾などからしかアクセスすることができない。


Zyngaの公開直前のこのタイミングでのこの提携、タイトル提供の発表が行われたのはおそらく偶然であると思われるが、近年投資家の中で投資対象としてインターネット企業に加えて中国への関心が高まっていることも事実である。ここ数カ月のEmpires&Alliesの好調やモバイル領域での成長に加え、今回の提携をFacebook以外での成長機会の実例としていくことを期待していることは間違いない。


以前に提供していたFarmVille中国版と同様、Zynga Cityも単なる翻訳タイトルではない。Zynga Chinaにより現地に適用した形でリリースされている。"Zynga City"というタイトルをつけることにより、Zyngaという会社の全体のブランディングを高めることにより、その他のタイトルを中国国内でリリースしやすくする狙いもあるように見える。以下、今回のタイトルについてもう少し詳細を加えたリリース内容である。


Zynga Cityベータ版では、中国のユーザにわかりやすく、とっつきやすい全く新しいデコレーションアイテムや建物、中国の祝日やニュースに関連したゲーム内イベント、そして行商人を友達の町に送るとメカニズムなどといった文化的に関連性のあるゲーム構造を起用する。Zynga Cityベータ版では、さらに中国人プレイヤーが好むゲーム上での深みのあるストーリーラインを満たすべく、斬新なクエストシステムを導入するつもりだ。


今回のタイトルはTencent Open Platform Service上に提供される。同プラットフォームサービスは、Pengyou, Tencent Microblog, QQ Games, Q-Zone, Q ++という5つのプラットフォームに導入されており、当初はPengyouに、段階的に大きなプラットフォームに提供を広げていく予定です。Tencent Open Platform はデベロッパーに、クラウドデータサーバーサービスや広告活動についてのテクニカルサポートを含みすべてのサービスをデベロッパーに提供するものである。Tencentは今回のローンチをきっかけとして、他の開発会社からの関心が集まることを期待している。


Zynga Cityの元タイトルとなっているCityVilleであるが、こちらは昨年に記録的に初速で成長したのち、月間アクティブユーザ、デイリーアクティブユーザがともに低下を続けている。我々のAppData Tracking Serviceによれば本日段階で、過去三十日間でそれ以前と比較し月間アクティブが9% 8000万人減少、デイリーアクティブが15% 1400万人減少している。またスタンドアロン式のモバイル版CityVille Hometownが先月にリリースされているが、iOSのAppStore、トップセールスランキング(Top Grossing Ranking)で30-40位をうろついている状況である。ただ、それでもやはりCityVilleはZyngaタイトルの中で最大のゲームであり、最近リリースしたEmprires&Alliesと比較しても二倍以上のサイズとなっている。


Facebookで拡大したその他のデベロッパーについても、中国ソーシャル・ネットワーク上で活発に動いている。特にアジアスタジオを通じたRockYouの動きが目立っている。ただ、ほとんどのFacebookゲーム関連の動きは現地開発会社やスタジオのものである。中国当局は国内のインターネットコンテンツに関して厳しく監視を行なっており、ポルノや、反民主主義的な主張を含む違法コンテンツがユーザ内で回らないよう、ソーシャルネットワークや、開発会社に自主規制を求めている。一方でFacebookやその他の企業が中国当局からの規制に対してどのように対応していくか理解しかねている間に、Zyngaのような会社が、プラットフォームパートナーに頼る形で、中国国内でのビジネスに支障がでないよう着実に計画を進めているのだ。






【引用】"Zynga and Tencent Announce Partnership, Launch of CityVille China Expansion “Zynga City” July 25th, 2011"
http://www.insidesocialgames.com/2011/07/25/zynga-launches-cityville-china-on-tencents-open-platform-service/






コメント:
かなり全面的な展開ですね。気になるのが提携の条件です。Tencentは7割から8割を手数料として徴収しているとも伝えられています。Zyngaもこの条件を飲んだのか(多分飲んだと思いますが)。Zyngaの戦略は初期に圧倒的な宣伝費をかけて、ユーザーを囲い込みにくるので、中国のSAPにとっては強力なライバルの出現ですね。