★USA,韓国,日本のTopモバイルゲーム会社を徹底比較!〜【EA vs Gameloft】【Gamevil vs Com2us】【DeNA vs GREE】〜

■分析:EA対Gameloft、 Gamevil対Com2us、DeNAGREEの相対的業績について、対比から何が分かるか?8/15




企業の決算報告シーズンは、数字の分析が好きな人をわくわくさせる時期である。しかし、何百万、何十億のドルやユーロ、そして日本円や韓国ウォンを扱い比較するにはよく分からなくなってしまうことも多い。トレンドを見極める方法の1つは、絶対的数値を取り除いて成長率だけを見ることかもしれない。これは先週我々が検討したことだ。

もう1つ役に立つ方法がある。それは、同じ事業分野に属するライバル企業を付け合わせ、長期にわたる業績を直接比べることだ。






◆Head-to-head

モバイルゲームに関して言えば、はっきりとした3つの組み合わせができる。EA MobileとGameloft、Com2uSとGamevil、そしてDeNAGREEである。


EA MobileとGameloftの2社は欧米モバイルパブリッシャーの最大手である。企業規模も同じくらいで、事業内容もすべてのプラットフォームにおいて有料でプレミアムブランドのモバイルゲームに重点を置いている点で同様である。そこで、この2社の四半期毎の売上げ(緑の線)の比率を作れば、過去2年半(10四半期分)の相対的業績がどうであったかが理解できる。





比較対象全期間において、Gameloftの売上げはEA Mobileよりも低かった(つまり、比率は常に1未満)が、2010年7〜9月の3ヶ月ではEA Mobileとほぼ同レベルに達した。しかし、それ以後にEAはiOSのパブリッシャーであるChillingoを買収し、その結果Gameloftを引き離すこととなった。


さらに最近買収されたPopCapやFiremintの売上が総売上に加わっているので、この比率はさらに下がるようだ(つまり、EAの売上げはGameloftよりも伸びる)。






◆Heart and Seoul

韓国のモバイルパブリッシャーである2社、Com2uSとGamevil(紫の線)の状況は似ている。両社ともに、国内向けのフィーチャーフォン販売を基に事業を築いており、それ以後世界のスマートフォン市場に事業を拡大している。過去5回の四半期の実績を見ると、この2社は半年間は対等に競っていたが、その後の2回の四半期の間にCom2uS(従業員数ではGamevilよりも勝っている)は、主にGamevilとのゲームリリースサイクルの問題でGamevilを引き離した。


しかし、これはCom2uSの売上げは2009年がピークで現在売上げが減少しており、その一方でGamevilの売上げは急成長しているという事実を示している。それは、Gamevilがライバル企業を追い越しているため、今では明らかなことだが。






Value of being open

日本のソーシャルモバイルプラットフォームを持つDeNA(モバゲー)とGREEが3つ目の比較だ(黄色い線)。この2社のビジネスモデルも、とても似ている。ソーシャルモバイルポータルで、主にフィーチャーフォンを基盤としているがスマートフォンに移行してきている。両社ともに海外進出に積極的で、DeNAはngmocoをGREEはOpenFeintを買収している。


面白いのは、2年前(8四半期前)DeNAGREEよりも大きかったのだが、その差はそれほど大きくなかった(四半期ベースの比率は0.8ほど)ということだ。しかし、モバゲーを開設してから、第3者のデベロッパーがモバゲーにゲームをリリースできるようになり、収益は劇的に伸びた。それは1年前にあまりに急に起こり、DeNAGREEの2倍以上の収益を上げた。


もちろん、GREEも同様の動きをし、同社のプラットフォームを第3者に解放した。黄色の線は上向きの曲線を描き始めてはいるが、GREEの売上げはDeNAの3分の2ほどに留まっている。








【引用】"Analysis: What ratios tell us about the relative performance of EA-Gameloft, Gamevil-Com2uS and DeNA-GREE 8/15"
http://www.pocketgamer.biz/r/PG.Biz/PocketGamer.biz/feature.asp?c=32373




コメント
GREE/DeNAの差に比べて、Gamevil/Com2uS、Gameloft/EA Mobileは僅差であることが分かります。海外市場ではまだまだ接線が続いている一方、国内市場のSAPの差は大きく開きつつあります。DeNAGREEにつけた差が未だ埋まらないのと同様、日本のSAP間においてもここで付けた差は後から取り返すのは難しくなるでしょう。それはユーザーの囲い込みや、広告戦略などの面において、規模を拡大することで戦略上有利になるという、この業界の特性から明らかです。まずは目先のライバルといかに差をつけるのか、やり方をただマネするだけではなく確かな戦略を持って一気に攻めることが重要です。