★PoPCap独自の戦略:よりローカルな経営方針がアジアで成功の兆し!

■PoPCapのアジアにおけるスローで堅実な投資は、実を結びはじめているようだ 9/6



PopCap Gamesはその地域においてのビジネスへ、「アジアの出来事は、アジアの事」というアプローチを取っており、ローカライズしたそのタイトルと共に、商品への試みのために普通ではないレベルの自主性を与えている。


そのような無干渉のアプローチは、実を結び始めているようだ。

PopCapのアジア部門はチームを率いているElectronic ArtsのJames Gwertzman氏によるとPopCap全体の売り上げに10から11パーセント貢献しているという。Electronic Artsによる買収以前の昨年のPopCapの売り上げは1億ドルで、それから概算するとだいたいアジア部門の売り上げは1500万ドルになると思われる。


PopCapが最近リリースしたPlants Vs. Zombiesもまた、ゲーム会社に代わって中国のソーシャルネットワークのプラットフォームによる侵略的なマーケティングキャンペーンの結果、先週のRenrenの日々のアクティブユーザー数が50万に近づいた。


しかしながら、この牽引力を得るのは簡単な事ではなかった。製品への5年以上の投資と、地域においての結びつきの賜である。


PopCapのアジアでの会社設立構想はインターネットバブルの時アジアのMicrosoftで勤務していた経験を持つGwertzman氏が2005年にアジアに立ち寄り、そこで中国の消費者がZumaのようなPopCapのタイトルに熱中していることを知ったことから始まる。


「我々は中国で既存のブランドへの意識が高まっていることを知りました。中国の人たちは我々のゲームを知っていて、ローカライズされていないゲームを楽しんでプレイしていました。」と彼は語る。「しかし問題は、それをどう収益につなげるかでした。」



◆欧米の過ちから学ぶ中国でのレッスン

彼は市場研究のため1、2ヶ月おきにアジアを訪れた。「そこではすでにゲーム業界での訓戒的な物語があったが、我々は欧米の会社の失敗の理由を明確にできるまではPopCapの資金を使わないことを決心していた。そして我々は古い間違いではなく、新しい間違いを犯したい。」と彼は言う。


欧米の会社が犯した間違いは以下のようなものだ。

現地チームに自身で決定を下す権限を十分に与えなかった。: 会社が決定に際して欧米での上層部の承認を得ることにこだわった。
中国市場を本当に理解している十分な現地チームを雇わなかった。: Gwertzman氏によると、アメリカの会社は専門家を連れてきて、現地スタッフが何か提案しても聞く耳を持たなかったと言う。


全く反対のこととして、幹部になじみの薄い中国人のリーダーや総括管理者を雇うこと: 彼らは会社の社風に染まっていないため、その決定は数千マイル離れた場所にいる北米や欧州の中央の経営陣に批判される。


早すぎる大投資: 会社はすぐに非常に高い収入の見通しを立て、収入が目標に達しないと知ると、投資額を減少させる。「大投資をして、すぐに崩壊する例が多いことがわかるでしょう。」と彼は言う。


彼らが選んだリーダーシップが十分に堅実なものでない。「4年に4回本部長が交代したという会社も多い」と彼は言う。これでは戦略なんて見通せない。


これに対し、PopCapとGwertzmanはローカルオフィスを運営する枠組みを作り上げ、彼は2008年に上海に移転してスタジオを開いた。彼らはアジアユニットが完全な自治権を持たせ、上層経営陣の決断が必要とされるのは年間予算に関することだけとすることに合意した。ポップキャップアジアのスタッフは、会社が最も大事にしているブランドのローカルマーケットについて比較的自由な支配権を与えられた。


彼らはアジアで起きたことはアジアに留めておくという戦略も認めた。「私たちがクレイジーなビジネスモデルを展開するなら、それはアジア地域に限ってのことだ」とGwertzmanは言う。


彼らはまた、買収によって人材を集めるという、Zyngaをはじめとする多くのゲーム会社が中国でとった道を選ばなかった。(しかしGwertzmanは、ZyngaによるMediaの買収はおそらくより賢明な決断だっと述べている)


「多くの企業がアジア市場に参入するために買収を行う」と彼は言う。「しかしそこにはいくつかの問題がある。買収する企業の文化があなたの会社の文化と適合するかどうかの保証はないし、加えて、彼らはやってくる時も去る時も集団で動く。」


Gwertzmanは始めからキャッシュフローがプラスになるように、慎重にユニットを開始した。今年になってようやくPopCapの重要な事業になったとはいえ、利益は毎年倍増していた。



◆中国でのプラットフォームの選択

ユニットの最新のリリースは、Renrenプラットフォームで発表した、ソーシャル版「Plants Vs. Zombies」である。これはオリジナルの欧米版のタワーディフェンス要素に街づくりの要素を加えている点で大きな変化が見られる。


1年半前、PopCapが中国においてプラットフォームのパートナーを探し始めた時、サードパーティーデベロッパーに開かれたソーシャルネットワーキングサイトは多くなかった。Tencentはまだそのオープンプラットフォームを発表しておらず、Sina Weiboは夏にゲームプラットフォームを発表しただけだったので、Renrenだけがメジャーなものであった。


「結局、基本的に彼らは我々に素晴らしい取引をもたらした。」とGwertmanは行った。Renrenは中国主要都市におけるバスと地下鉄駅の公的広告キャンペーンに対する請求の足がかりであった、と付け加えた。GwertzmanはRenren取引の条件に関するコメントはしたくないようである。しかし中国のプラットフォームの他の開発者から、アメリカのソーシャルネットワークサイトよりも収益精神に関してより柔軟な傾向があると聞いことがある。中国においてインフラに支払う事業に従事し、ここではより高価なプラットフォームを公開させている検閲と関係しているので、より高く削減して、Renrenの公開プラットフォームは通常売上高の48パーセントはアプリケーションを購入する開発者に与えている。


(プラットフォームは一般的に検閲の基準に準拠するため、店頭にあがる前にアプリケーションを見直す必要がある。従って、アプリケーションがその事実後に削除されるにすぎないFacebookAndroidといったプラットフォームでは操作できないのである)

彼らは6週間前にそのゲームを立ち上げ、先週に拡大するまで、静かにそのタイトルを最適化した。先の月曜日には、ゲームはRenrenで3万ユーザー獲得し、週の終わりには50万に増えた。

彼らはまた、Zuma BlitzをTencentにも展開し、月間で5臆3千万のアクティブユーザーを抱えるQZoneのような中国のインターネットの巨大なプラットフォームのいくつかにもゲームを始めている。



◆中国での携帯市場の取り組み

携帯に関して言うと、PopCapはiOSでそのゲームの翻訳をおこなっている。中国語版は、インストールの観点から、アメリカ版の2倍の量となっている。


彼らは中国ではTwitterのようなプラットフォームであるSina Weiboと共同しており、それはサイトの買収を通したゲームやバナー広告を推進するRenrenのような他のソーシャルネットワーキングサイトを失墜させている。多くの人々が携帯からWeiboを利用しているので、Gwertzmanは詳細については語らなかったが、良い転換率を生み出している。


しかし収益化は中国ではやりがいのあることである。アップルが非常に流動的な支払行為をiTunesを通じて行うiOS上でさえ、PopCapは脱獄デバイスのせいで売られている5〜7つの海賊版を正規アプリごとに見つけている。


そういうわけで、同社は多分結局フリーミアムモデルへ移るだろう。自由にプレイできるゲームで、中国で最も良いタイトルはアクティブユーザーにつき1日当たり1〜2セントの平均的収益を見ることができると、彼は言った。


しかし最終的には、彼はAndroidが、今アメリカの市場で起きているように、中国のiOSを追い抜くと期待を込めている。
iOSが富裕層の利用者層には魅力あるものなので、我々は期待をしていますが、Androidは中国のボリューム層へ訴求力があります」と彼は言う。「かなり強力な100ドルのAndroid携帯電話機を見ています。」


しかし、競合するプラットフォームの多様性に加え複数の独立系app storeがあるアメリカよりも、Androidははるかに断片的である。だから、PopCapは配布のためにキャリヤーとデバイスメーカーとのプリインストール取引を行うことによって、これを回避している。



◆ゲーム以外のチャンス

RovioのAngry Birdsの様に、PopCapのブランドは、中国での販売方法において多くの期待を示した。(ここ数週を通じて、私はPlants Vs. Zombiesのシャツと、より大きい都市に似た、子供と大人の周辺でトレーディングカードデッキを見ている。)


同社は、そのブランドを認可する立場から取り扱うことよりも、入ってくる利益がある。それは、上海で初日に1分で10着のTシャツを売った中国最大のカジュアルウェアチェーンであるMeters/bonweと取引をしたことだ。


もちろん、海賊版アプリと同様に、PopCapは模造品にも対処しなければならない。PopCapブランドに関連した75,000の偽造品がTaobaoの上にあり、それは中国のeBayのようであると、Gwertzmanは言った。

これに対応する最も良い戦略は、模造品よりも高品質の仕事をすることだ。

「我々が気づいたことは、信じられないほど複雑な市場であるということだ。」と、Gwertzmanは言った。「西洋の会社にとって時に非常に難しいことであり、長い目で覚悟しなければならないことだ。」




【引用】
"PopCap’s Slow and Steady Investment in Asia May Be Starting to Pay Off September 6th, 2011"
http://www.insidemobileapps.com/2011/09/06/popcap-asia/




コメント
アジアの企業を買収しても、本部のコントロールのもとに置かず、より現地主義で経営を行うPopCapの戦略はZyngaなど他のやり方と比べ、効率的で良い戦略であるように思えます。グローバル化が進んできているのは事実ですが、それでも地域による違いは色んなところにあります。グローバル化の意味は全てを1つのやり方でやるのではなく、その国に合わせて柔軟に経営を行うことにあると思います。EAに買収された今も同じような経営を続けていけるか。注目です!