米ソーシャルゲーム大手 Zynga IPO申請の実態Part1

Zynga社S-1申請書類提出、上場して10億ドルを調達予定(7/1)



Facebookでのソーシャルゲームのトップ企業であるZynga社は、本日、上場を申請しました。
これにより提出されたS-1書類には、現状における事業状況と見込まれる評価額について詳細に記述しています。


ずっと憶測を呼んでいた数字がついに明らかになりました。


同社は、2010年に5億9千7百万ドル、
2011年の第一四半期には、2億3千5百万ドルの収益を上げたということです。
この株式公開により、最大10億ドルの資金調達が期待されており、
モバイルおけるソーシャルゲームのビジネスを拡大するための強力な資金を得ることとなります。
それにもかかわらず、同社は、10億ドル近くの現金を保有していると見られています。


我々のInside Virtual goodsリポート(http://www.insidevirtualgoods.com/)では、
Zynga社は2010年において5億ドル以上の収益を上げたと推定している一方で、
それよりもはるかに高い収益だったと指摘するリポートもあります。


2010年の純利益は90.6百万ドルで、今年の最初の3ヵ月間では11.8百万ドルとなりました。
数ヵ月前に投入された、Facebook上で仮想商品を購入するための唯一の仮想通貨であるFacebook Creditsの導入は、ここ数ヶ月の利益を圧迫しているようです。





ここで、Zynga社が、S-1申請書でCreditsとそのFacebookでのビジネスについて言及していることの一部を紹介します。



「2010年7月、当社はFacebookを通じて遊ぶ自社ゲーム用に主要支払方法としてFacebook Creditsに移行し始め、2011年4月までに完全移行しました。
Facebookは当社のゲームでプレーヤーが使用するために購入したFacebook Creditsの額面の70%に相当する金額を当社に支払っています。当社はFacebook保有する額を帳簿上ネットで収益計上しています。」




FacebookFacebook Creditsの目的について、それに関わるすべての人々にとって、
他のいかなる選択肢よりも利益をもたらすことだ、と言い続けている。
投資家は今、それがどの程度現実のものとなるのかを理解したがっています。




全体の利用者数は、我々がAppData tracking serviceでいつも取り扱ってきている数字です。
それによると、Zynga社は1億4千8百万人のマンスリーユニークユーザーを抱えています。
この数字は、当社がFacebookの各アプリケーションのトラフィックを合計することにより追跡しているもので、
重複のないマンスリーアクティブユーザー数の合計を示しています。
この数字には、モバイル経由のユーザーも含んでいます。
AppData によると、Zynga社はFacebookに6千万人のデイリーアクティブユーザーがいるとのことです。



この取引の幹事は、Morgan Stanley, Goldman Sachs, Bank of America, Merrill Lynch, Barclays Capital, J.P. Morgan とAllen & Co.となっています。







【引用】「Zynga Files S-1, Plans to Go Public and Raise $1 Billion, Overcoming Credits Costs」
http://www.insidesocialgames.com/2011/07/01/zynga-files-s-1-plans-to-go-public/








コメント:
GrouponやDemandMediaなどと違いしっかりと利益を出しているのが特徴です。単純に決算の数字を見ると、Zynga2010年の利益はたった9000万ドル。2011年は第1四半期で1200万ドル。ちなみにGREEは経常利益211億円、DeNAは520億円なので、収益的に見劣りするように見えるのですが、これは日本とアメリカの会計制度の違いが大きいようです。発表しているものはGAAPで、Non-GAAPだと、2010年利益は4億ドル。11年第1四半期は1.1億ドル。日本の会計基準だとこちらが近いので、GREEより上でDeNAと五分くらいという感じのようです。会計基準が違うと分かりにくいですね。